砂糖はこうして作られる No.1

ビート(てん菜)から製造される、お砂糖の製造工程をご紹介します。

ビート(てん菜)の成分は?

 ビートの平均的な組成(成分)は、生育条件により変化しますが、水分 76.0%、糖分17.0%、非糖分7.0% となっています。

 

 非糖分には、セルロース、ヘミセルロース等の不溶性非糖分(繊維分)と、タンパク、ペクチン、アミノ酸、有機酸、還元糖、灰分等の可溶性非糖分があります。この中には、ビートに特徴的な成分として、ラフィノースとベタインが含まれます。これらは、糖蜜から回収することができますので、機能性食品、天然食品添加物として製品化しております。

砂糖はどのくらいとれるか?

 ビート1個の重量は約1,000gあります。前述したように、ビートの糖分は約17.0%ですから、ビート1個から170g前後の砂糖を製造できます。この量は、ほぼコップ1杯分の砂糖に相当します。

 

ビート糖製造の原理

 ビートには糖分(砂糖)以外に非糖分が含まれています。ビートから砂糖を製造するためには、ビートから非糖分を取り除いて、糖分のみを取り出す必要があります。まず、最初に、温水にて抽出し、非糖分のうち不溶性成分(繊維分)を除去します。この不溶性成分は、飼料として利用します。次に、可溶性非糖分のうちタンパク、ペクチン、有機酸の一部は、炭酸カルシウムに吸着後、ろ過して除去します。残った非糖分はイオン交換樹脂にて吸着除去し、糖分純度の高い糖液とします。この糖液を結晶させ砂糖を製造します。

ビート糖の製造は、ビートから非糖分を取り除いて、糖分のみを取り出す工程と言えます。従って、ビート糖は、ビートが光合成により根部に蓄積した砂糖を純粋に取り出したもので、天然100%の甘味料です。