砂糖以外の甘味料

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その他の甘味料の分類

砂糖以外にも様々な甘味料があり、糖質系甘味料と非糖質系甘味料に大別されます。糖質系甘味料は天然にも存在しますが、食品に利用されるものの殆どは天然の素材を原料に用いて工業的に作られています。また、非糖質系甘味料も天然に存在するものと化学的に合成されたものがあります。

砂糖以外の甘味料は、終戦時など砂糖不足の時代には単に砂糖の代わりとして使用されてきましたが、食生活の変化などにより低カロリー、虫歯になりにくい、腸内環境の改善など使用目的が多様化してきています。

デンプン由来の糖

デンプン由来の糖には異性化糖やブドウ糖、果糖などが含まれ、このうち代表的なものが異性化糖です。

異性化糖はブドウ糖と果糖を主成分とする液状の糖で、ブドウ糖が多数結合した構造であるデンプンに液化酵素(アルファアミラーゼ)と糖化酵素(グルコアミラーゼ)を反応させてブドウ糖に分解した後、異性化酵素(グルコイソメラーゼ)でブドウ糖の一部を果糖に変換(異性化)することで作られます。異性化糖には日本農林規格(JAS)があり、果糖の含有率が50 %未満をブドウ糖果糖液糖、50 %以上~90 %未満を果糖ブドウ糖液糖、90 %以上を高果糖液糖と定義しています。異性化糖は砂糖に比べてキレのある爽やかな喉越しが特徴で、果糖含有率55 %のものは砂糖液と似た甘味を持ち砂糖に比べて価格が安いことから清涼飲料を中心に業務用の用途を広げました。

その他の糖

デンプン由来の糖と後述する糖アルコールに分類されないものが該当し、単糖類が2~20個程度結合したオリゴ糖類も含まれています。

多くのオリゴ糖は低甘味、低カロリー、消化されにくくビフィズス菌など有益な腸内細菌の栄養源になる、虫歯になりにくいなどの特性を持っています。二糖である砂糖もオリゴ糖に含まれますが、砂糖とは異なった特性を持つ糖という意味で、上記のような特性を持つものを総称してオリゴ糖と呼ぶことが多いです。

糖アルコール

糖アルコールは天然にも広く存在していますが、一般的には金属触媒や酵素反応により工業的に作られています。

爽やかな甘味を有し、化学的に安定なため熱や酸・アルカリによる分解や着色が起こりにくいなどの性質から加工食品の素材として使われています。また、安定性の高さから消化されにくく低カロリーであり、エリスリトールは食品表示基準で0 kcal/gとされています。一方で、多量に摂取するとお腹が緩くなる場合があります。

非糖質系甘味料

非糖質系甘味料はいずれも砂糖の数十倍~数百倍の甘さを持つため高甘味度甘味料と呼ばれることもあります。

サッカリンやスクラロース、アセスルファムKは0 kcal/gであり、ステビアやアスパルテームは砂糖と同じく4 kcal/g有りますが甘味度が砂糖の100倍以上あるため実際の使用量は少なく低カロリーな甘味料として使用されます。

近年の健康志向、低カロリー志向の広がりにより“低カロリー”や“カロリーゼロ”、“糖類ゼロ”などを強調した商品が多く見られ、これら加工食品には砂糖よりも低カロリーで少量でも甘味が付与できる非糖質系甘味料がしばしば使用されています。しかし、WHO(世界保健機関)による文献調査(システマティックデビュー)では、体脂肪の減少や体重管理において非糖質系甘味料の使用は長期的な利益をもたらさないことが示唆されています。

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畑から、食卓へ。

てん菜産業のパイオニア