持続可能な農業への貢献

昨今の環境や社会における大きな変化に対応し、企業として今後も更なる発展をし続けるため、従来の企業活動の継続のみならず、 環境課題、社会課題の解決に繋がる技術・新商品の開発に力も入れ、持続可能な農業へ貢献します。

今後も気候変動に対応したてん菜の品種開発、減農薬・省人・省力化に向けたてん菜栽培技術や農業資機材の普及に努めるとともに、てん菜のバイオリファイナリー共同研究などにも取り組んでまいります。

安定的な原料てん菜の確保

■ 気候変動に対応したてん菜の栽培技術・品種の開発

高温下でも安定的に栽培できる技術の開発、高い耐病性やストレス耐性を有する品種の開発を行う


 《高温下でもてん菜を安定生産できる品種導入、技術開発》

高温下でもてん菜を安定生産できる品種導入、技術開発当社圃場での褐斑病抵抗性品種の試験栽培の様子。従来の品種は褐斑病の発生により葉が褐変しているが、抵抗性品種は健全。 高温下でもてん菜を安定生産できる品種導入、技術開発生産者圃場での褐斑病抵抗性品種の栽培の様子。従来の品種(左)は褐斑病の発生により葉が褐変しているが、抵抗性品種(右)は健全。 高温下でもてん菜を安定生産できる品種導入、技術開発茨城大学構内圃場でのエンドファイト試験栽培の様子。
(㈱エンドファイト)
 
 てん菜に高温耐性(高温下でも安定して生育できる能力)を付与する取り組みとして、病気やストレスに強い品種の開発を行っております。
現在、てん菜の主要病害であり高温などの条件で発生が高まる褐斑病に対して、これまでで最も強い抵抗性を持つ褐斑病抵抗性"極強"品種の導入を進めております。
あわせて、気候変動による異常気象下でも安定しててん菜を生産できる栽培技術の開発も行っています。
茨城大学発のベンチャー、株式会社エンドファイトとの共同研究により植物内生菌(エンドファイト)を活用し、てん菜にストレス耐性を付与する技術の開発を進めております。

減農薬・減肥料・スマート農業

■ 原料てん菜における減農薬・減肥料・スマート農業等による省人省力化

減肥料・減農薬・省人省力化に繋がるてん菜品種や栽培技術の導入

主な取り組み 評価指標 目標
2025年度 2027年度 2030年度
・直播導入の推進による化学肥料施肥量の削減
・除草時間短縮に寄与する除草剤耐性品種の導入
・病害抵抗性の高い品種の導入と抵抗性を活用した防除体系の導入
・不耕起栽培や病虫害に対する遺伝子検診
・センシング防除等の
導入 
・化学肥料使用量
削減率
(2016年度比)
3% 5% 10%
・農薬使用量(費用)
削減率
(2019年度比)
2% 7%
(除草剤耐性品種・
病害抵抗性品種を作付面積の50%に導入)
10%
(除草剤耐性品種・
病害抵抗性品種を作付面積の60%に導入)
・耕起・防除・除草に関わる
投下労働時間
削減率(2019年度比)
6% 10%
(除草剤耐性品種・
病害抵抗性品種を作付面積の50%に導入に加え、
省力技術の普及)
20%
(除草剤耐性品種・
病害抵抗性品種を作付面積の60%に導入に加え、
省力技術の普及)
・栽培における炭酸
ガス直接排出量削減率
(2019年度比)
4%

5%
(除草剤耐性品種・
病害抵抗性品種を作付面積の
50%に導入に加え、
省力技術の普及)
6%
(除草剤耐性品種・
病害抵抗性品種を作付面積の
60%に導入に加え、
省力技術の普及)

当社の研究部門により開発された農業資機材の普及により、農業の省人省力省作業化を図る


 《トラクタ装着型のひっぱりくん®などによる野菜生産の省人省力化》

 当社が展開する「牽引式ひっぱりくん」「トラクタ直装ユニット」の2機種(写真)は、トラクタで砕土・整地しながらチェーンポット苗を移植することができます。
これら農業機材の普及を通じて、野菜生産の省人・省力化に貢献してまいります。
また、すでに北海道の広大な畑でビートの移植作業に活躍している技術を野菜生産に応用する取り組みも行っております。
高性能で省力化が進んだビート移植機の活用等による野菜生産の大幅な省力化に取り組んでおります。
トラクタ装着型のひっぱりくん®などによる野菜生産の省人省力化白ネギの移植作業
(トラクタ直装ユニット)
トラクタ装着型のひっぱりくん®などによる野菜生産の省人省力化らっきょうの移植作業
(牽引式ひっぱりくん)

てん菜を原料とした用途開発・新製品の開発

■ 『持続可能なてん菜産業』実現のため、CO2吸収能力の高いてん菜を原料とした用途開発・新製品の開発

てん菜からバイオリファイナリーを行う技術の研究開発


 《再生可能なバイオマスを利用した有用物質の生産研究開発》

バイオリファイナリーとは、再生可能なバイオマス(生物由来の有機資源)を利用して、エネルギー燃料、化学製品、タンパク質などの有用物質を生産する技術のことです。
一つの取り組みとして、ノルウェーのNoMy社(Norwegian Mycelium AS)と共同研究を行っております。
てん菜から砂糖を製造する過程で発生する副産物を原料にして糸状菌を培養し、糸状菌タンパク質を生み出し、動物性タンパク質の代替となる飼料や食品を生産できるよう挑戦しております。
バイオリファイナリー研究

有機農業への貢献

■ 有機農業を視野に入れた製品群・栽培方法を開発・製造し、国内外に普及させる

有機農業に対応する商品や栽培方法の国内外への普及を図る


 《液肥GBを原料とした新規商品(有機資材)の開発》

液肥GB(てん菜糖蜜由来の液肥)から、固形バインダー(固化材)も兼ねた肥料原料となる有機資材の開発を目指しております。 肥料原料への応用肥料原料への応用(試験)


 《米国に於ける有機認証について》

米国農務省(USDA)ルール改正による有機対応資材となることについてホームページにて紹介しております。 有機認証ホームページでのご紹介


 《米国ユーチューバーによるYouTube配信》

有機栽培と親和性の高い不耕起栽培農家のユーチューブチャンネルにて、当社商品を紹介して頂きました。 YouTubeNo-till GrowersによるYouTube配信


 《有機認定に向けた取り組み紹介とアンケート収集などの対応》

当社ホームページで、有機農業に取り組んでおられる方の取組み紹介やアンケート収集を行っております。 アンケートホームページによるアンケート収集(有機資材登録へ向けて)

牛の長命連産

■ 牛の健康に良い飼料を開発・製造し、牛の長命連産に寄与する

牛の長命連産を可能にする飼料の開発に取り組む


 《乳用牛の健康改善に向けた研究成果の発表等》

当社は、チコリやゴボウに含まれているイヌリンから⽣成されるオリゴ糖の⼀種「DFAⅢ」が、ミネラルや免疫物質の吸収を促進し、⽜の健康(長命連産)に寄与することに着目し、研究開発等、販売普及に向けて取り組んでおります。
2024年度は、日本畜産学会(右図)と日本獣医師会に成果発表しております。
FDAⅢ

マテリアリティと推進体制

サステナビリティの取組み

畑から、食卓へ。

てん菜産業のパイオニア