気候変動への対応

気候変動は、てん菜を基盤として事業を行う当社にとって、重要課題と認識しております。気候変動に関わる諸問題について経営リスクと捉えるとともに、新たなビジネスチャンスの可能性も意識し、 様々な視点から持続的な発展を目指します。

温室効果ガス削減

■ 工場・オフィス・不動産事業等で使用する電力・燃料のCO2排出量削減

工場・オフィスにおいて発生するCO2排出量(Scope1,2)を削減 対象:日本甜菜製糖 単体

主な取り組み 評価指標 目標
2025年度 2027年度 2030年度
・製造工程等における
CO2排出量削減の取り組み
CO2削減量
(2013年度比)
-50,900t-CO2
15%減
-52,300t-CO2
16%減
-77,700t-CO2
23%減
・再生エネルギー利用によるCO2排出量削減の取り組み CO2削減量
(2013年度比)
-4,900t-CO2
2%減
-27,900t-CO2
8%減
-50,500t-CO2
15%減

*Scope3についても開示を始めている。(2023年度実績より)


 《ガス貫流ボイラ導入によりCO2排出量を削減》

芽室製糖所で製糖期に使用する電気と蒸気の源であるメインボイラの燃料は石炭ですが、帯広ガスより都市ガスの供給を受け、補助ボイラ更新時に燃料をC重油から都市ガスに変更しました。
燃料転換によるCO2排出量削減、負荷変動吸収効果による燃焼効率改善等の効果が得られ、約4,000t-CO2/年の削減効果があります。
【2021年度導入】
ガス貫流ボイラ導入によりCO2排出量を削減


 《太陽光発電設備導入によりCO2排出量を削減》

CO2排出量の削減を目的に、再生エネルギーである太陽光発電設備の導入を進めております。
帯広事業所、清水事業所の導入により、年間約600t-CO2/年の削減効果があり、エネルギーコストの削減効果もあります。
今後さらに太陽光発電設備導入を検討しCO2排出量削減に貢献してまいります。
【2022年度導入】
太陽光発電設備導入によりCO2排出量を削減


 《排水設備増設によりCO2排出量を削減》

工場排水を利用し嫌気性消化ガス(バイオガス)を発生させ、工場ボイラでの燃焼に使用しております。
排水設備の嫌気反応槽を9室から11室に増設することで、排水能力が増強されバイオガスの発生量を増加させました。
ボイラでの燃焼量増加で、年間約4,000t-CO2/年の削減効果があります。
【2023年度導入】
排水設備増設によりCO2排出量を削減

■ 社用車、社用農業機械等の使用燃料のCO2排出量削減

社用車新規購入時のHV選択や、輸送効率化の推進により、CO2排出量を削減

主な取り組み 評価指標 目標
2025年度 2027年度 2030年度
・社用車にHVを導入 HV導入割合 18% 31% 57%


 《紙筒製品の輸送効率化(ストックポイント倉庫の設置)》

小口配送向けに関東(茨城県)、中国(岡山県)・九州(山口県)にストックポイント倉庫を設けて、効率的な運用を行っております。 ストックポイント倉庫の設置ストックポイント倉庫(茨城県)


 《紙筒製品の輸送効率化(パレット物流の導入)》

従来、手作業で行っていた荷下ろしや積み込み作業をパレット対応とすることで配送の効率化を進め、積込荷下ろし時の待機時間の短縮等によりCO2の排出削減も図っております。
これにより運転手の労力軽減にも寄与しております。
パレット物流の導入ペーパーポットのパレット物流

林業への貢献

■ 大量のCO2を吸収し炭素を長期間貯蔵する林業事業に当社技術(紙筒移植他)を活用し、国内外に普及させる

伐採後の計画的な植林を可能にする紙筒育苗技術の国内外への普及を図る


 《ペーパーポット®育苗による苗木生産(紙筒育苗技術の活用推進)》

日本国内におけるスギ人工林の多くが主伐期を迎え、再造林が推し進められています。
全国的に再造林されている面積は伐採される面積の約5割とされています。
今後、再造林割合が増えた場合の苗不足が顕在化することが予想され、苗生産の効率化と生産性向上が喫緊の課題となっており、コンテナ苗の生産拡大が必須となっております。
そうした中で全国初のスギ挿し木のコンテナ苗生産を2009年から開始している㈱長倉樹苗園(宮崎市)では、当社の「ペーパーポット®」を活用した苗木生産を行っています。
ペーパーポット®を使用することで、作業の効率化や育苗期間の短縮、得苗率向上(90%以上)の健苗確保ができます。
また、規格外苗を再利用・再育苗し生産性を向上させながらコスト低減でき、造林業者からも効率よく植栽できると非常に好評です。
さらに、宮崎大学や静岡大学とも共同研究し生育調査などのエビデンスを基に県や国への普及推進を進めております。
紙筒育苗技術の活用推進ペーパーポット®を使用したスギ苗木の育苗

牛由来メタン減少

■ 呼気中のメタン発生量を減少する牛用飼料の開発

地球温暖化にも影響を与えうる牛のゲップ(メタン)を減少させる飼料の開発に取り組む


 《牛のゲップ(メタン)を減らし、温室効果ガス発生を抑制》

牛は消化過程で、二酸化炭素の25倍の温室効果があるといわれるメタンを排出することが知られており、世界的な問題となっております。
当社は、メタン抑制効果がある海藻カギケノリを活用した飼料の開発に取り組んでおり、メタン抑制効果を検証し、実用化を目指しております。
牛のゲップ(メタン)を減らし、温室効果ガス発生を抑制カギケノリ

マテリアリティと推進体制

サステナビリティの取組み

畑から、食卓へ。

てん菜産業のパイオニア