てん菜について

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舌に甘い

初めての方は、「てん菜」って何だ?と思われたことでしょう。甜菜(てん菜)の甜(てん)の字は「舌に甘い」と書きます。「てん菜」は北海道特産の砂糖の原料になる植物です。砂糖といえば、「サトウキビ」を思い浮かべますが、フランスやドイツなどのヨーロッパでは、砂糖といえばてん菜糖のことをさします。あまり知られていませんが、全世界の砂糖生産量の約20%、日本では輸入して加工される砂糖を除くと約80%が、てん菜から作られた砂糖で占められています。当社の砂糖は、北海道などでは「スズラン印」のお砂糖としておなじみですが、全国的にはあまり知られておりません。ですが、チョコレートなどのお菓子やジュースなどの原料として幅広く使われており、皆さんも当社の砂糖を口にしたことがきっとあります。

大根?

このてん菜、ビート(シュガービート)とも呼ばれます。分かりやすいよう砂糖大根(サトウダイコン)と説明されることもありますが、どちらかというと外見はカブに似ています。見た目はダイコンやカブのようですが、分類上はホウレンソウなどと同じヒユ科に属します。北海道では、まだ雪の多い春のはじめに種を蒔き、苗を育て、雪解けを待って畑に移植、短い夏を経て成長し、収穫の秋を迎えます。北国の風にそよぐ青葉は、大地を緑のじゅうたんで敷きつめ、黄金色に輝く小麦やジャガイモの清楚な花とともに、北海道の代表的な田園風景を演出します。

田園風景

大地の恵み

ホウレンソウと言えばポパイでおなじみ、元気モリモリの代名詞。同じヒユ科のてん菜も様々な能力を秘めており、実に有益な植物のひとつです。てん菜のうち砂糖の原料とならない葉の部分は、畑にすき込んで緑肥として再利用されます。根の部分は砂糖の原料となるのはもちろん、その搾りかすはビートパルプと呼ばれ、乳牛や肉牛の配合飼料として利用されています。ニッテンではこのビートパルプや、砂糖を作る過程で生まれるビート糖蜜を原料の一部に使うなど特色ある配合飼料を研究開発し、道内での販売を行っています。また、ビート糖蜜を利用してイーストの製造販売も行っています。
この他に、てん菜糖が秘める様々な機能を活かし、天然オリゴ糖のラフィノース、調味料などに使用される食品添加物のベタインの生産を行うなど、新素材としての分野でも非常に有望であり、様々な用途への拡大に努めているところです。また、ビート糖蜜を利用してSAF(持続可能な航空機燃料)を生産する微細藻類の共同研究をスタートさせるなど、このように捨てる部分のないてん菜は、まさしく北の大地の恵み、持続可能な社会には欠かせない環境にやさしい植物です。

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畑から、食卓へ。

てん菜産業のパイオニア