砂糖の特性②
続 砂糖の様々な効果
コラム「砂糖の特性」では砂糖の親水性に関連する様々な効果を紹介しましたが、そこで紹介した以外にも砂糖の特性を利用して様々な効果が得られます。
料理に色や香りを与える
砂糖を120~180℃程度に加熱すると褐色になり、香ばしさと甘い香りを持つ特有の風味を有するカラメルになります(カラメル化)。カラメルはカスタードプリンのカラメルソースがよく知られていますが、着色料として様々な食品や飲料に使用されています。
食品の調理・加工や貯蔵時に砂糖が分解し、これが食品中のアミノ酸と反応(メイラード反応)することによっても着色物質や香気成分が生成します。
カラメル化とメイラード反応は、加熱食品に焼き色や香ばしさを付与したり、味噌や醤油の色調や風味にも深く関わっています。
砂糖による物性の変化
砂糖は煮詰めの温度によってシロップやフォンダン、タフィーなど状態を変化させます。こういった性質を使用して調理時の温度により食品の粘りや硬さを変化させることができます。
また、小麦粉は適度な水を加えて捏ねることによってグルテンというタンパク質を形成し生地に粘りや弾性が出ますが、砂糖を加えると砂糖が水分を保持するためグルテンの形成が抑制されます。したがって、砂糖の量や入れるタイミングによって生地の物性が変化し、ケーキやパンの焼き上がりに違いが出ます。
発酵の促進
砂糖はイースト発酵の際に、イーストの栄養源として使われます。パンなどの小麦粉生地の場合、小麦粉にも糖質が含まれていますが、砂糖を加えることでさらに発酵しやすくなりふっくらした出来上がりになります。
香りを保持する
糖類には香りを保持する性質があることが、経験的に知られています。また、糖類の中でも砂糖は優れた保持率を有していることが実験的に知られています。