ご挨拶

Message
大正8(1919)年、国内での砂糖自給体制の確立と北海道の開拓推進を図るため、当社の前身である北海道製糖(株)が創立され、昭和22(1947)年日本甜菜製糖(株)への商号変更を経て、令和元(2019)年に創立100周年を迎えました。
私たちは会社創立当時から、てん菜糖事業を通じて北海道畑作農業の持続的な発展、北海道地域経済の発展に努めてまいりました。また、国産原料を使用した砂糖を安定的に供給することで、国内食料自給率の維持向上に貢献しております。
この度、昭和37(1962)年から60余年にわたり皆様にご愛顧いただきました、食品ブランドのスズラン印を大幅にリニューアルいたしました。清廉で純粋なスズランのイメージを残しながら、青く澄んだ空や雪解けの水など、北海道の雄大な自然を想起させるニッテンブルーを採用しました。我々は、新たなロゴマークとともに、さらなる製品ブランドの価値向上を目指します。
また、てん菜糖製品のデザインをスズラン印に統一した日(1962 年 10 月 20 日)を記念して、10 月 20日を「スズラン印の日」と制定し、日本記念日協会から認定されたことも併せて紹介させていただきます。
本年9月には本社移転を行い、港区三田から東京本社発祥の地である中央区京橋に戻ってまいりました。 アクセスの良い立地条件を活かし、経営効率向上や本社業務の効率化を図るとともに、コミュニケーションの活性化や生産性の向上につなげ、当社グループのさらなる企業価値向上を目指してまいります。
今日、北海道農業をめぐる環境は大きく変化しようとしております。長年続く砂糖消費量の減少傾向に端を発して、てん菜作付面積に見直しの動きが出ております。北海道の輪作体系の柱であるてん菜の持続的作付に向けて、私たちは①砂糖の消費拡大、②てん菜の新規有効活用、③新たな品種や栽培技術の提案という3つの解決策を考えております。今回は②について新たな取り組みを紹介させていただきます。
現在、ノルウェーのオスロに本社を置くNorwegian Mycelium ASと提携し、製糖工程の副産物を活用したマイコプロテインの技術開発を進めております。パン酵母生産で培った微生物技術と製糖副産物を活用して、食品資源としてのタンパク質を生み出すことで動物性タンパク質の代替となる食品や飼料の生産に挑戦します。私たちはてん菜を使い尽くすまで、可能性の探求を続けてまいります。
株主の皆様方を対象とした新たな取り組みとして、芽室製糖所の見学会を本年10月に開催いたしました。来年以降も継続的に実施すべく計画を進めてまいります。また、個人投資家様に向けて、会社の状況を直接説明する個人投資家説明会を、開催地を変えながら毎年行っております。お近くで開催の折には是非ご出席賜りたくお願い申し上げます。 既に、第2次中期経営計画見直しについて報告させていただきましたが、資本・財務戦略の一環として、自己株式の取得を進めると共に政策保有株式の縮減を進めております。
皆様方におかれましては、引き続き一層のご高配を賜りますよう、心からお願い申し上げます。
2025年10月
日本甜菜製糖株式会社
取締役社長
石栗 秀