機能性食品:ラフィノースとは

ラフィノース 吸湿しない天然オリゴ糖
[Raffinose]


天然のオリゴ糖 ラフィノースとは?

ラフィノースは、植物に広く存在するオリゴ糖で、てん菜(ビート、砂糖大根)をはじめ、トウモロコシやキャベツ、じゃがいも、ブドウ、麦類に見出され、大豆等の豆科種子に比較的多く含まれる食経験の豊富なオリゴ糖です。
下図のように、ショ糖(グルコース+フルクトース)にガラクトースがα結合した三糖類で、結晶は5水和物として得られます。
砂糖(ショ糖)の原料作物として、北海道で広く栽培されているてん菜は、厳しい冬の寒さから身を守るためにラフィノースを生合成します。
ラフィノースは、腸内のビフィズス菌を活性化し、私たちの健康をサポートします。



1)ビフィズス菌の増殖効果
 ラフィノースは、胃や小腸で消化吸収されることなく、大腸に達します。大腸に達したラフィノースは、腸内の善玉菌であるビフィズス菌の餌となって腸内を酸性化するとともに、ウェルシュ菌等の悪玉菌の増殖を抑制し、アンモニア等の悪臭有害成分の腸内発生を低下させます。





2)難消化性
 ラフィノースは、胃や小腸で分解・吸収されませんので、エネルギーになりにくく、血糖値が気になる方にも安心です。

ラフィノースの特性

1)吸湿性
 ラフィノースは、5水和物結晶として安定であり、吸湿性が非常に低いことが特徴です。
湿度が90%で6ヶ月保存しても吸湿しません。



2)甘味度
 ラフィノースは、ほのかな甘味があります。
甘味度はショ糖を100とした場合、20%強で、甘味の質はショ糖に似ています。

3)酸性条件における熱安定性
 ショ糖と同等の安定性があり、pH4、95℃、30分加熱でもほとんど分解しません。pH3.5以下で加熱しますと、メリビオースとフルクトースに分解し始めますが、メリビオースは安定でそれ以上分解しません。
メリビオースもラフィノース同様、難消化性でビフィズス菌を増殖させる効果があるオリゴ糖です。
分解で生じたメリビオースと残存したラフィノースを合わせると、pH3.0付近でも約80%のオリゴ糖が残存しています。



4)加熱安定性
 加熱安定性はショ糖と同等であり、160℃まで煮詰めてもほとんど分解せず、レトルトなどの加熱処理食品に使用できます。
180℃まで加熱すると、メリビオースとフルクトースに分解していきますが、メビリオースは安定で大部分残存します。



5)保存安定性
 25℃、6ヶ月保存において、pH4.0の場合では、大部分のラフィノースが残存します。
pH3.0以下で保存した場合は、分解が進みますが、生じたメリビオースは安定で大部分が残存します。
なお、低温保存(5℃)の場合は、pH3.0でもラフィノースはほとんど分解しません。
オリゴ糖(ラフィノース+メリビオース)でみると、保存期間6ヶ月においてpH3.5で88%程度、pH3.0で75%程度が残存します。



6)溶解度
 ラフィノースは水溶性であり、水100gに対して、室温(20℃)では約17g、4℃では約6gのラフィノースが溶解します。



7)着色性
 ラフィノースは非還元性ですので、メイラード反応による着色性が低い特性があります。

8)結晶性
 ラフィノースは針状結晶で、結晶水として水5分子を含んでいます。
融点は80℃ですが、100℃まで徐々に加熱すると結晶水を失い、無水ラフィノースとなります。






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