三温糖は健康にいいの?

上白糖やグラニュ糖などに比べ、三温糖は高級品ですが、三温糖の名前の由来を教えてください。

 もともとは「砂糖の汁を三度煮詰めて作る砂糖」ということで三温糖と言われました。実際、精糖工場ではグラニュ糖や上白糖を製造する時に煎糖した後の蜜を材料にして三温糖を作ります。煎糖(せんとう)とは、糖液をぐつぐつ煮詰めていって水分をとばし、糖を結晶化させることで、その結果、砂糖の結晶と残りの液(蜜)ができます。つまり、三温糖の材料となる蜜は上質の砂糖を作った後の残り液なのです。この蜜には色素やその他の不純物が多く含まれているので、これをさらに煎糖した三温糖の製品は黄褐色で純度も低くなります。上白糖よりも水分も多くなります。三温糖の外観は黒砂糖に少し似ているため、黒砂糖に似た製法の砂糖を考えがちですが、専門的には三温糖は分蜜糖(遠心分離操作などで砂糖の結晶と蜜を分離したもの)であって、含蜜糖(糖液を煮詰めて固めたもの)である黒砂糖とは異なります。


三温糖はミネラルが豊富で健康に良いと聞きました。どんなミネラルが含まれているのですか?

 ミネラル(灰分)として主にカリウム、ナトリウムが多いと思われます。しかし三温糖の組成を見てみると、蔗糖95.4%、転化糖2.10%、水分1.60%で、ミネラルは約0.3%を占めるにすぎません。これだけ量が少ないと、普段使用している砂糖を全て三温糖に切り替えたとしても、摂取できるミネラルの量は微々たるもので、健康のためのミネラル補給とはいきません。他の砂糖に比べて三温糖にミネラルが多いということに間違いはありませんが、豊富であるとは言えないのです。しかし、微量に含まれるこのミネラルのおかげで、三温糖はこくのある甘さを呈し、独特の風味をもっています。従って、煮もの・漬け物・みそ料理には三温糖が昔からの定番です。